★分離不安

*パセリ
*パセリ

我が家では店の開店前に身体のチェックも兼ねて

全員、ブラッシングをします♪

 

パセリの場合は、頭のトップを結び

両耳の毛を束ねています。

 

両方ともに、産まれてから1度も切った事が

ありません…

 

 

出会った時のパセリを思うと切る事が出来ないのです。。。

 

 

 

以前、パセリの事を「分離不安の典型」と言いましたが

それはパセリの幼少時代と密接な繋がりがあります。

 

パセリとは、あるペットショップで出会いました。。。

 

そこのお店は徹底的な健康管理の為、1頭1頭背の高い段ボール箱の中で

管理されています。

 

餌やりやシーツ代わりの新聞を取りかえる時も、ゴム手袋着用です。

当然、抱く事もなく新聞を取り換える際に身体を持ち上げるだけです。

 

店の1番隅の段ボール箱から異常な仔犬の鳴き声がしていました。

鳴き声というより、「叫び」「悲鳴」に近い鳴き方でした。

 

それがパセリでした。。。

 

3か月近くまで売れ残っていたその仔犬は顔周りの毛も伸びてボサボサ…

シルバーの毛色のせいでまるでボロ雑巾のようでした…

 

声をかけると叫び声が1段と高くなります。

 

『心が壊れかけている…』

 

そう感じた瞬間、段ボール箱の前から1歩も動けなくなりました。。。

 

想像してください。

もし、自分が「4畳半、壁の高さが3階建ての窓のない部屋」で

誰との接触もなく過ごさなければならないとしたら…

 

パセリは生後1ヶ月ちょっとで親兄弟から離された時から、ひとりぼっちで

来る日も来る日も 「足元の新聞と目の前の段ボールだけ」を見て過ごしていたのです。

 

1番愛情を受けなければならない時期に!です。

売れ残っていた為に、心が壊れかけるほどに…

 

パセリが雄でも、他の犬種でも迷いはありませんでした。

当時、家には離乳を始めた仔犬が7頭いた事も考えませんでした。

 

普段はカードで犬を売買する事にすごく抵抗を感じるのですが、

この時ほどカードがありがたかった事は後にも先にもないでしょうね(苦笑)

 

*連れ帰った当日、トリミング後
*連れ帰った当日、トリミング後

長い間、人間との接触が少なかったためか、

触れば怯える・抱こうとすれば唸る・仰向けにして

お腹を触れば噛みつく!

 

幸い、ワクチンが2度打ってあったので、トイレのしつけも

兼ねて店に離せば、お客さまの出入りの度に隅に逃げ込む

など、「家庭内野良犬の仔犬」状態(笑)

 

左の写真の目を見てもわかるように「人間不信の塊」

でした。

*かぁちゃんのガウンの上
*かぁちゃんのガウンの上

そのくせ少しでもかぁちゃんの姿が見えないと、

例の声で鳴き叫びます!

 

唸ろうが噛みつこうが、そんなもん屁でもありません!

(たとえが、はしたなかったでしょうか…失礼(^▽^;))

 

いっぱい、いっぱい抱っこして心のリハビリです。

 

お客さまからも沢山愛情をいただき、今では店1番の

甘え上手になりました。

 

けれど、心の傷として『分離不安』が残りました。

 

 

*留守中はガウンから離れません
*留守中はガウンから離れません

パセリのように、大事な社会化期を前に、早くから

親兄弟と離され、その時期に与えられるべき愛情を

十分受けずに育った仔犬は将来、「分離不安」に

陥る傾向にあるとされています。

 

年に2度ほど1泊旅行に出かけますが、旅先に左2枚の写真と

「メシ食わん、おやつも食わん、でも生きとる!」

のメールが届きます。

 

トイレに行く以外、ベッドの上のかぁちゃんのガウンの上で

寝ているだけだそうです。

 

どうしたらパセリの不安を取り除いてやれるのか…

 

出会う前の「ちっちゃな身体中、寂しさと心細さでいっぱい」だった

パセリを抱きしめて「大丈夫だよ!大好きだよ!」と伝えてやりたい!

 

でも、それが叶わないから、

かぁちゃんは悲しかった記憶の残るパセリの被毛を切る事が出来ずに…

 

トップの毛先、耳の毛先、 

当時のパセリを抱きしめるような気持ちで毎日梳いてるんだよ。。。