当店がプードルのブリーディングをしている事も関係あるのでしょうが、最近続けてこんな電話がありました。
「プードルのメスを飼っているのですが仔犬を産ませたいのですがお願いできますか?」
今回は、素人さんのブリーディングのリスクに付いて取り上げたいと思います。
「家の子はこんなに可愛いんだから、この子の赤ちゃんはもっと可愛いに違いない♡」
そう考えるのは自然なことだと思います。
ましてや、「仔犬」の存在自体が『可愛いとしか言いようがない♡』
(年中、仔犬に囲まれているかぁちゃんだって毎回思うんですもの♪)
只、我が子可愛さのあまり「冷静に欠点に目を向けていない」のが現状です!
「失礼なっ!家の子に欠点なんかあるわけないっ!! 凸(`⌒´メ)」
殆どの方がそう思っていらっしゃる事でしょう。
当然のことながら見た目の可愛さの事ではありません。
かぁちゃんが言いたいのは『目に見える欠点』の事では無いのです。
「遺伝性疾患」という言葉を聞いた事があると思います。
プードルに関して言えば「進行性網膜委縮(PRA)」
これが1番に上げられます。
これはDNA検査(遺伝子検査)で、次の3つに分けられます。
*クリア (発病の可能性がない)
*キャリア (発病はしないが病因遺伝子を子孫に継承
する可能性がある)
*アフェクテッド (発病またはその可能性がある)
「ブリーディング・ストラテジーズ」(計画的ブリーディング)という言葉があります。
小学校の頃を思い出して下さい。
簡単に説明すると、「メンデルの遺伝法則」で赤いアサガオと青いアサガオを交配させると咲く花の色合いは…のアレです!
これで産まれてくる仔犬が想定出来ます!
まず、アフェクテッドは問題外!キャリア同士でも25%の割合でアフェクテッドが出現します。
一番望ましいのは当然クリア同士!(キャリア×クリアでもOK)
さあ、愛する我が子がアフェクテッドではないと言い切れますか?
それ以外でも、プードルに良く見られる「膝蓋骨脱臼(パテラ)」
これも最近の乱繁殖と小型化によって目立ってきました。
殆どの方が、愛する我が子の両親、兄弟姉妹を見た事がないのではないでしょうか?
その中に疾患のある子がいないと言い切れますか?
お産自体にもリスクが付きまといます。
「犬は安産だ」といいますが、決してそうではありません!
小型化が進む昨今、「難産」の子も増えてきています。
お産をさせて良い子、悪い子。
お産に向いている子、不向きな子。
私達ブリーダーは全てをクリアした子にしか赤ちゃんを産ませません!
もし、可愛い我が子に赤ちゃんを産ませてみたいと思われている方がいるとしたら冷静に我が子を観察してみて下さい。
欠点は確実に次世代に受け継がれます。
当然、お電話を頂いた方(当店のお客様ではありません)にはお力になれませんとお断りしました。
それでも、どうしても赤ちゃんを産ませてみたいとお望みの方は獣医さんに相談してDNA検査を受けて、その上でクリアな男の子を探して下さい。
「散歩で会うあの子が可愛いから…」と、安易に交配させる真似だけは決してしないで下さい!
今回ばかりは真面目なかぁちゃんのお願いです!<m(__)m>